最初に、学生ビザの期限は3ヶ月。それまでに少なくとも滞在許可申請は終了させておかなければならない。
11月初旬、ギリシアに来た当初、語学学校から英語で以下のような説明書をもらった。要約すると次のようである。
滞在許可に必要な書類 1.パスポートと就学用のビザの部分のコピー 2.写真(カラー2枚) 3.50000ドラクマ(2万円弱)の税金支払い証明(税務署?からの) 4.教育機関の在籍証明 5.ギリシア滞在費をカバーする財政証明(銀行の残高証明等) 6.保険機関の証明書(要するに医療費をカバーする保険加入の証明書) 7.健康診断書 8.滞在地の告知
これを読んだだけでは実際どのような書類が必要なのかわからないので語学学校のスタッフに説明してもらった。
それによると、4.教育機関の在籍証明は語学学校から発行、6と7についてはあなたの場合、奨学金(IKYから奨学金がでることになるはずだった)があるからそれで大丈夫。3については税務署の場所を教えてもらった。
まず最初にそろえるべき書類は健康診断証明書。これは語学学校にも提出しなければならないので、早々に行って健康診断を受け、準備したつもりでいた。
次に必要だと思われたのは奨学金財団からの証明書であったが、実はギリシアに来た当時、大使館から奨学金財団から奨学生に選ばれたという事実を口頭でしか知らされていなかった。いろいろあって結局その書類を受け取った段階ですでに1ヶ月半が経過してしまっていた。
その後、4は問題なく手に入った。1はパスポートのその部分をコピー、2は3を用意し、6、7も奨学生に選ばれた通知書がついたのでこれで大丈夫、8も早々に用意しておいた。9.はその場で言えばいいのかな、とりあえずこれで書類はそろっただろうと思って、初めて市役所に行った。12月中旬から下旬にかけてのことであったと思う。
1回目、まず1のパスポートのコピーについて。「警察に行ってはんこをもらってこい。」と言われる。そこで警察に行く。警察で「ビザの部分(多分)はここではんを押せるが、パスポートの写真の部分については、マケドニア・トラキア省に行ってもらってこい。」と言われる。そこでその場所に行き、はんをもらってくる。
同日、2回目。1の書類にはんをもらって帰り、書類を見せたところ、6の保険と8の滞在住所の通知が不十分といわれる。6については奨学金が医療費もカバーしていることを示して認めてもらおうとしたが、「英語は読めない」とのこと。そう書類はすべてギリシア語でなくてはいけないのである。ところがこの奨学金の書類はギリシアの財団のものではあるが、元々外国人用のためオリジナルから英語なのである。8についても聞き取れたかぎりでは「作ってこい。」だけであった。この日はこれで終了。
その後、数少ないテッサロニキ在住の日本人留学生に相談、そこで8については賃貸契約書が必要、6についてはその奨学金が確かに保険をカバーしていることを教授か弁護士に証明してもらってはどうかとアドヴァイスをうける。8については大家が当初は税金を払わなければいけなくなるので嫌がったが事情を説明し、なんとか過少な金額で契約書を交わすことができた。6については弁護士に書いてもらおうとしたが、ここで問題が発生し、奨学金がでなくなる可能性が出てきた。どうこうしているうちに年も暮れ、年末年始でビザの期限の2ヶ月以上が経過した。
新年、私のビザ期限は1月27日である。この時点で20日程度しか残されていなかった。
まず保険加入について。
結局、ギリシアで保険会社に入ってギリシア語で証明書を出してもらうのが一番てっとりばやいだろうということで、最初インターアメリカンに行ったのだが、半年で5万円近くと高額であった。同じクラスのルーマニア人から入手した情報で「LA VIE」という保険会社を紹介してもらう。結局手続き料込みで1年間契約で3万円弱であった。
ところでその紹介してもらったルーマニア人は保険契約の途中の頭金を払った段階で、市役所に書類を提出して受理されたというので早速、私も頭金の支払い証明を持って役所に行った。
3回目(2日目)である。しかし私の場合は拒絶された。1年契約でちゃんと手続きが終了した証明書を持ってこいというのである。このあたりスタッフによって対応が違うのである。さらに今回は前回と違うスタッフだったのだが、彼女によって前回はひっかからなかった書類まで問題にされた。それは何か、早々にそろえたはずの7、健康診断書である。どうも様式が違ったらしい。となりで男性職員が「同じだ、同じだ。」と言っていた。たぶん彼が担当だったらひっかからなかったのだろう。とにかく今回は6、と7、でひっかかった。
このあたりで焦ってきた。なぜなら行くたびに違う不備を指摘されるからだ。彼らは一つ不備を見つけると他を見ずに留めてしまう。一度にすべての書類を見て不備な点をすべて指摘しておけば、お互いに手間と時間の省略になると思うのだが、これをしないのがギリシア人である、ということを私はギリシアに来て学んだ。しかしこの方法では恐ろしく時間がかかるのだ。もしビザの期限が切れたらどうなるんだ、とかなり精神的に焦ってきた。
とにかく次の日に語学学校に行って私の健康診断書がどう違っているのか聞く。それによると、滞在許可申請用の様式があるらしいのだ。私のはそれではなかった。さらに次の日に健康診断をした病院にレシート、結果を持って病院に。レントゲンを取るだけで順当に健康診断書を発行してもらえた。
次の週。月曜日は保険会社の健康チェックを受けるためにまたまた別の病院へ。火曜日再び市役所である。今回はギリシア在住の日本人についていってくれるように頼んでおいた。
4回目(3日目)前回と同じ人である。健康診断書はさすがに今回はクリアした。6はこのために保険会社から頭金のレシートではなく、証明書を発行してもらってきた。保険会社は多くの他の外国人もこの書類で受理されているから大丈夫と言ってくれたのだが、私の場合やはりひっかかった。さらに他の書類を見てくれと、今回は懇願する。そこで問題になったのは5、であった。私が持ってきた書類はただの通知でいくら出るかとか全く証明がないというのである。まあこの職員がいうことも筋が通っていないこともないが、だったら初回に指摘しておけといいたい。ただこの反応は、その時に実際奨学金がでるか怪しくなっていたし、予想もできていた。そこで準備しておいた銀行からの引き出し時の残高証明や、換金証明を見せる。これで今まで日本人留学生が滞在許可を通過してきたということは聞いている。しかし私の場合は無理であった。まずレシートがシティバンクのもので英語で書かれているというのだ。さらに残高が日本円ででている、日本円であってもドラクマでいくらかわからないじゃないかというのが向こうの言い分である。
それと保険契約を完結すればもういいのだなということを念を押して確認してもらう。今後、新たに新しい不備が「発見」でもされたらもはや間に合わないくらいビザの期限は目前に迫ってきていた。その日はギリシアの銀行に行き、口座を作るまでで終了した。ちなみに残高として要求された金額は100万ドラクマであった。
保険会社に頼み込んで検査結果ができ次第、大急ぎで書類を作ってもらう。それができたのがビザの期限が切れる実質3日前だったと思う。全額払ったというレシートと契約書を持って再び役所へ行く。
5回目(4日目)今回は前回の担当者がいなく、1日目に担当した人にまわった。書類自体にはもうさすがにつつかれる点はないだろうと思っていたが、保険会社の支払い証明書と銀行の残高証明書とさらに今まで何も指摘されなかった。賃貸契約書のそれぞれに「印鑑」をもらってこいといわれた。それは警察でもらえるとのこと。そこで警察へ。警察では先の書類のうち銀行の残高証明書にしか「印鑑」がもらえなかった。役所で他の書類については聞きなおせと言われる。
6回目(同日)先と同じ担当者である。「印鑑」をもらえなかったと説明すると、賃貸契約書については税務署へ、保険会社の支払い証明書については弁護士の所へいって「印鑑」をもらってこいといわれる。ただちに同居人にTEL。彼女が同じ書類を持って税務署にいって税金を払っていたのを知っていたからだ。さらにその際、彼女の友人でもある弁護士にも会っていた。タクシーで家に帰り、契約書を受け取る。さらに彼女が予約しておいた弁護士の所にいって証明(どういう趣旨の証明なのかさっぱりわからなかったが。)してもらう。同居人をうまく捕まえられたことと、彼女の友人の弁護士がいなかったら、同じ日に役所には行けなく1日は確実に遅れていたであろう。
7回目(同日)今回は先の2回を担当した人はすでにいなく、他の人になる。3回目(2日目)に言ったときに「同じだ。同じだ。」と言っていた人だ。ついに彼によって受理された。
滞在許可の担当が警察から役所に移行して手続きが楽になったと聞くが、私の経験から本当にそう思われるだろうか?私はいちいちすべての書類に「印鑑」を要求されたわけだが、そんなものは以前は要求されなかったというようなことを聞いた。