コンピューターが生活必需品になって以来、どこか遠いところへ移り住もうという時、向こうでのコンピューターライフをどうするかという問題が、人々を悩ますようになりました。コンピューターに触れない日はないという人は結構多いと思いますが、そういう人はこちらでの環境を何とかそのまま向こうに持っていきたい、と当然考えるでしょう。また、日本ではコンピューターをあまり使わないという人も、向こうでは使いたくなるかもしれません。たとえば、頻繁に国際電話を使わなくても済むように電子メールを使いたいとか、日本の新聞社のホームページで日本のニュースを読みたいとか。
しかし、そのためには出発前の多忙な日々の中で様々なことを検討し準備しなくてはなりません。マシーンを持参するのか向こうで購入するのか。何を買ったらいいのか。持参して向こうで壊れたらどうするのか。インターネットへの接続はどうするのか。電子メールを途切れなく受信し続けるにはどうしたよいのか。デジカメやDVDは日本で買った方がいいのか…
この文章は、ギリシャに長期滞在する日本人、つまり留学生、駐在員、外交官、ギリシャ人と結婚して移住する人、などを対象に書かれた、コンピューターとインターネットの手引です。対象国はギリシャですが、他の同様の国に行こうとしている人にも参考になる部分があるでしょう。
私自身もそうですが、多くの人は日本からノートブック型のパソコンをギリシャに持ち込んでいます。数年前までは日本製のパソコンをギリシャで使うには変圧器が必要でしたが、最近のものはたいてい100Vから240Vの電圧に対応したACアダプター付きなので問題ありません。日本とギリシャではコンセントの形状が違いますが、アダプターは日本でもギリシャでも簡単に見つけることができます。ギリシャでは例えばスーパーマーケットにも売っています。
日本で使っているマシーンをそのままギリシャに持ち込んで使えるのは大きな魅力です。しかし、ここでの大きな問題は、もし故障したらどうするか、ということです。いくら世界的なメーカーの製品でも、日本語のOSがインストールされたマシーンをギリシャで修理することは多分できません。結局、日本に送り返すことになって、多大な費用と時間を失うでしょう。もちろんギリシャでマシーンを購入して故障した場合でも、気が重いのは同じです。なにしろ、英語やギリシャ語で説明して直してもらわなければならないのですから。しかし、それさえ乗り越えれば、ずっと安く短期間で問題が解決するはずです。
以上の理由から、ギリシャでコンピューターを購入する方が実はいいのではないか、あるいは、日本からノートパソコンを持ち込むにしても、ギリシャでもう1台購入することを検討した方がいいのではないか、と最近は考えています。
デスクトップコンピューターであれば、ディスプレイ、プリンタ、モデムと組み合わせて 1,500 ユーロ程度でかなりいいものが買えます。これを帰国時にただ同然で売ると仮定し、何ヶ月間ギリシャに滞在する予定か、どのぐらいの頻度で使うのかを考慮に入れ、自分の場合は元が取れるかどうか検討してみてください。
ギリシャで買ったコンピューターでも日本語を入力したり印刷したりできるのか、と不安に思う方がいらっしゃることでしょう。しかし、ご安心ください。昔はいろいろと複雑な事情がありましたが、今のコンピューターやプリンターは基本的に言語を選びません。必要なのは日本語に対応したソフトウェアを用意することだけです。
ワープロとインターネットにしかコンピューターを使わないのであれば、日本語版 Windows と日本語版のワープロソフトを持参するだけで十分です。
ギリシャ人の配偶者や友人と1台のコンピューターを共用したいという人は、英語版の Windows 2000 か Windows XP をインストールされたマシーンを手に入れましょう。下の囲み記事にあるように、英語版の Windows 2000/XP を日本語対応に設定するのは大した手間ではありません。ただし、ソフトウェアのメニューやヘルプがすべて英語表示になること、日本語のソフトウェアのほとんどは文字化けして使い物にならないこと、に留意してください。最近のマイクロソフトの製品はほとんど多国語対応になっています。たとえば、英語版の Internet Explorer(Webブラウザ)、Netscape Navigator(Webブラウザ)、Outlook Express(電子メールソフト)、Word(ワープロソフト)、Excel(表計算ソフト)などの最新版は、日本語もギリシャ語も扱えます。
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英語版の Windows 2000 を日本語対応に設定する
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インターネットを利用するにはインターネット・サービス・プロバイダー(ISP)との契約が必要です。ギリシャにアクセスポイントを持つ国際 ISP と日本で契約してくるのも1つの手ですが、つながりやすいかどうか確かめようがないし、問い合わせや料金のことを考えると、ギリシャで契約した方が有利です。
ISP は OTENet、Hellas On Line、Forth Net などいろいろあります。同じ ISP でも利用する地区によってつながりやすさが違うという現象があるようです。料金は OTENet の場合で、3 ヶ月 57.14 ユーロ(2002年2月現在。税込み)です。申し込みの際にパスポートの提示が求められます。電話番号や住所も記入しなくてはならないかもしれませんが、適当に(たとえば大使館の住所とか…かな)書いておけばホテル住まいでも契約できるでしょう。
モデムは日本で売っているものがそのまま使えます。ただし、日本とギリシャでは電話の発信音が異なるので、発信音を待たないでダイヤルするように設定する必要があります。この設定はコントロールパネルの「電話とモデムのオプション」で変更できます(Windows 2000 の場合)。「発信音を待ってからダイヤルする」のチェックを外してください。
2002年2月時点のギリシャでは、まだ ADSL 等による個人向けの常時接続サービスはありません。ISDN が普及し始めた段階です。ギリシャでは ISDN を OTE に申し込むとターミナルアダプタ(TA)が無償貸与されます(というか、利用料金に入っている)。ちなみに、OTE がくれる CD-ROM を使うとドライバをうまくインストールできないかもしれません。あらかじめモデム経由でインターネットに接続し、Intracom(TA を OTE に独占的に納入している通信機器会社)のホームページから inf ファイルをダウンロードしておくとよいでしょう。TA を接続してコンピューターを起動すると、ドライバのインストール作業が始まりますが、その際「ディスク使用」を選んで、inf ファイルを保存したフォルダを指定すれば、インストール終了です。
続く…
黒田努 (2002.02.20)