きわめて保存の良い古代劇場を有することで有名なエピダヴロスの遺跡は,アテネからバスで約2時間半,ペロポニソス半島の北東端から少し引っ込んだ山の中にある。ここで,エウリピデスの『タウリケのイピゲネイア』が現代語で上演されることを私は以前から聞き及んでいて,必ず足を運ぶ腹積もりであったが,直前になって,せっかくそのような遠出をするのなら,もう少し本格的な旅行を計画してその途中でエピダウロスに立ち寄ることにしようと思い立った。
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| バスの切符売場 |
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| バスターミナルのあんちゃん |
アテネ(地図A)を出たバスは10分ほどで市街区を抜け,ダフニ修道院を過ぎ,やがて海岸に出る。そして,いくつかの小さな町を抜け,左側に見えるサラミス島を越えると,切り立った海岸線ぎりぎりに海を見下ろすように走るようになる。遠くペロポニソス半島の山々が霞み,実に爽快である。この道筋で車窓の景色を楽しむには,太陽の高い時間が良い。太陽の低い時間帯は,強烈な直射日光を浴びなければ南方に広がる海を眺めることはできない。
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| コリントス運河 |
コリントス運河へは1時間強で到着。土産物屋の軒先に荷物を置かせてもらって,運河へ行きカメラを構え,気長に船の通るのを待つことにする。写真,運河の上に架かる橋は列車用である。列車と船を1枚の写真に入れられば最上であるが,観光客がそういう機会に遭遇する確率は非常に小さい。
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| アクロコリントス(頂上にて) |
しかし,現在残っている遺構の大部分は13世紀以降,この町を支配した多くの支配者たちが戦争に備えて城塞を補強することで生み出されたものの名残で,遊興の町としての面影はまったくない。軍事都市としても完全に荒れ果ててしまい,雑草が生い茂る中に城壁の残骸が立っているだけである。それは実にもの凄い光景である。これを見るだけでもギリシャに来た価値があると私などは思う。
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| アクロコリントス(下から) |